どうも月島で和菓子カフェをやっている山の金時堂です!
皆さんは「ようかん」を漢字で書けますか?
羊羹…
「かん」の字は難しいですが、「よう」は「羊(ひつじ)」なので簡単ですよね!
ところで、羊羹は甘い和菓子。それなのに何故、「羊」という字を使っているのでしょうか。羊といえば…
- マトンカレー
- ジンギスカン
- ラムチョップステーキ
…辛いお料理ばかり。
羊羹の原料として羊なんて入っていません…
しかし羊羹の羊は「動物の羊」を意味していて、どうやら意味があるみたいなんです。
羊羹は羊の熱い汁物?!
漢字の意味
羊羹の「羊」は「ひつじ」として、「羹」という漢字はあまり見たことの無い方も多いかと思います。
「羹」は音読みは「かん」ですが、訓読みをすると「あつもの」。「あつもの」とは「熱い物」… 肉や野菜を入れて作った熱い汁物のことを言います。
つまり「羊羹」を字の意味だけで判断すると、「羊の熱い汁物」という意味と捉えることができるんです。
中国から日本へ
羊羹のルーツは中国。とはいえ、上述のような羊の汁物を「羊羹」と呼んでいただけなので、まだ和菓子ではありません。ゼラチン質の多い羊を使ったとろとろした汁物でした。
それを日本へ持ち込んだのが、鎌倉時代~室町時代に中国へ渡った禅宗の僧侶でした。食事と食事の間に食べる小食「点心」の一つとして伝えられたのです(ちなみに当時は朝・夕の一日二食が一般的で、点心はお昼に食べるものという感じです)。
羊を使わない羊羹から和菓子に
しかしここで宗教上の壁がありました。禅宗ではお肉を食べてはいけないという戒律があったのです。そのままでは精進料理として羊羹を推すことはできません。
「お肉を使わないで、あれみたいなゼラチンの煮凝りのスープ、作れないかな…」
そこで小豆や小麦粉、葛粉などの植物性の材料を使い、羊肉に見立てた料理がつくられたと考えられています。
以前の練り羊羹と蒸し羊羹について紹介しましたが、穀粉を使った羊羹ということで、これは「蒸し羊羹」なんですね。
当初は本来の羊羹のように甘くない味付けだったのかもしれませんが、時代は流れ、甘みが加わり、甘葛から砂糖になり… 今のような蒸し羊羹に変遷していったとされています。
月島の和菓子カフェ「山の金時堂」でも羊羹を扱うことは多々ありますので、是非ご来店なさってお試し下さい!!(羊は使っていません)
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