コラム

春には草もちを食べるべし!五行から考えると?

和菓子「草餅」
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月島で和菓子カフェをやっている山の金時堂です!

もうじき気温が上がってきて、「いよいよ春!」という感じですね!!

さて春になったら是非食べていただきたい和菓子がございます。

それは草もち!!

春になると自然にお店に多く並ぶ草もちですが、実は春に食べるといい事があるみたいなんです。

草もち

食べるときは特に何も考えなくてもいいのですが、実は草もちにも深い意味があるみたいです。

元々はよもぎではなく、ハハコグサ

今の草もちといえば、「よもぎを練りこんだお餅」という認識の方が多いと思います。それで正しいです。

しかし元々はよもぎではなく、春の七草の1つである「母子草(ハハコグサ)」を練りこんだと言われております。当時は「草もち」ではなく、「母子餅」と呼ばれておりました。

草の香りには邪気を祓う力があるという思想から、お餅に草を練りこむ。そしてそれを桃の節句に頂く。この文化は中国から日本に渡り、平安時代から受け継がれてきたそうです。

桃の節句といえばひな祭りですが、ひな祭りによく登場する「菱餅」について。いまでは「紅・白・緑」の三色が定番ではございますが、昔は「白・緑」の2色でした。そしてその緑は邪気を祓うための草もちだったのです。

母子を潰すのは縁起が悪い

草もちを作るとき、材料となる草をお餅に練りこむことになるのですが、やはりその際には草を潰すことになります。次第に母子草を潰すことは「母と子を潰すということになり、縁起が悪いじゃないか!」という考えが広まり、母子草ではなくよもぎを使うようになったそうです。

今ではほとんどの草もちがよもぎで作られるようになりましたが、一部地域では母子草で作られることもあるようです。

どちらも草の香りがするので、邪気を祓う力は大丈夫そうですね!

草もちを春に食べるといい理由

よもぎの旬が春

よもぎは日本の至る場所で見られる植物です。いつでも見ることはできますが、食用に適しているのは若芽であり、ちゃんと旬がございます。

よもぎの若芽の旬は3月~5月。春です!

市場にも多くのよもぎが並ぶと同時に、多くの和菓子屋さんが草もちをお店に並べます。一番採れて、一番美味しい時期なのです。

春は青(緑)のものを食べる

「肝」が大事

古代中国から発祥し、今でも語り継がれ信じられている「五行思想(ごぎょうしそう)」。

五行思想によると、春には「肝」に負担がかかりやすいそうです。

冬が眠りの季節であるのに対して、春は成長・発展の季節です。止まっていたものが動き出す。そんなときはアクセルとブレーキを上手く使いこなす必要があります。

アクセルとブレーキは人間の自律神経と呼ばれているもので、この自律神経は「肝」という臓器が管理しています。

春には「肝」が疲れやすくなるし、その疲れが悪影響を及ぼし易いのです。

悪影響の例

  • うつ的な症状
  • イライラ、ヒステリー、ムカつき
  • 目の不調
  • 筋肉の運動障害の悪化
  • 欠陥病の悪化
  • 爪の変形・割れやすくなる・色素沈着
  • 風邪をひきやすくなる

緑のものが大事

そんな「肝」の働きを良くしてくれる食べ物として緑黄色野菜が挙げられます。野菜ならなんでもいいわけではなく、五行思想では「肝」に良い食薬とされているものは「青」のものなのです(ブルーではなく、グリーンです)。

ほうれん草や小松菜などが食卓に並ぶと良いのですが、実はよもぎも「肝」に良い「青」。

お菓子として草もちを食べることで、「肝」や「胆」に溜まった汚れを排泄する効果があります。

春は良いものも悪いものも芽吹く生命の季節です。良いものを芽吹かせれば成長・発展になりますし、悪いものを芽吹かせればその毒が排泄されます。

春に野草を使った食べ物を頂くことは、体の毒を出し、成長・発展への生命力を頂く、大事な習慣なんです!!

月島の和菓子カフェ山の金時堂でも草もちを出すときがあったら、是非、お店に来て見てください!!

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